鬼滅の刃、ハリー・ポッター、スター・ウォーズが利用する人間の一面

From:Dr.kappa
月曜日、午後4時52分
大学、オフィスより

昨夜、映画を観てきました。

最近公開されたハリウッド映画です。

ネタバレ防止のために、タイトルも内容も触れずにおきます。

個人的に良い作品だと感じたことだけコメントしておきます。

さて。

ここで終わったら単なる消費者に留まってしまいます。

・なぜ良かったのか?
・何が私に「良い作品」と思わせたのか?

ここまで分析して初めて、次に使える経験に昇華できます。

そこで、今回のメールではこの点を考えてみたいと思います。

*

内容は隠しますが、ストーリーはハリウッド映画が頻繁に使うヒーローズジャーニーの構成になっていました。

ヒーローズジャーニーというのは、神話学者ジョーゼフ・キャンベルが提唱した構造。

様々な神話に共通するパターンです。

ご興味がありましたら彼の著書『千の顔を持つ英雄』で読むことが出来ます。

彼が体系化した構成は全部で12から成ります。

12ステージ全て書くと長くなりますので、このメールでは4ステージに要約したいと思います。

そのステージとは日本人には馴染み深い「起承転結」の4つです。

ヒーローズジャーニーでもまずは始まり、起があります。

このステージでは主人公の日常が描かれます。

物語では冒険に出ることになり、ここで師に遭遇します。

これが起承転結の承。

師や仲間と共に冒険を進めると、最大の試練が降ってきます。

これが起承転結の転。

そして、試練を無事に乗り越え、成長した主人公として日常に帰ります。

これが起承転結の結。

*

私は鬼滅の刃は観たことがありません。

ですが、ハリー・ポッター、スター・ウォーズ。

どちらにも共通する構造になっていることが読み取れます。

どちらの物語も、いじめられていたり、貧しい家庭で育つ「どこにでもいる」子供の描写から始まります。

スター・ウォーズを監督したジョージ・ルーカスの言葉として、次のような文言も残っています:

“If you know the beginning and you know the end, the middle takes care of itself.’’

日本語にすると、「最初と最後が分かれば、中間は自ずと決まる」となるでしょうか。

彼は古典映画を非常に深く研究したと言います。

そんな彼もヒーローズジャーニーの起を採用するからには、ここに大きな秘密があるはずです。

その秘密とは何か?

端的には相手に感情移入してもらう目的を果たしやすい表現であることです。

想像してみてください。

生まれた頃から才能に恵まれ、何をやってもうまく行く。

そんな主人公の物語だったら。

おそらく「自分とは違う世界の話」として表面的にしか受け取れないことでしょう。

少なくとも、主人公の立場になって物語の世界を観ることは困難だと考えられます。

人間は自分が住んでいる世界に最も臨場感を感じ、異なる世界には臨場感を感じにくいからです。

自分のことになると感情的になりやすいのに、同じことが第三者に起こってもなんとも感じない現象もこのメカニズムが働いて起こっていると考えられます。

例えば、私は毎日ポーカーを打っています。

テーブルでは他のプレイヤーが非常にアンラッキーを経験しても何とも言わないのに、自分が同じようなアンラッキーを経験すると「ズルだ」などと言い始めるプレイヤーを何人も見てきました。

また、もう1つの隠れた目的は、結で成長した姿との対比を明らかにすること。

最初から何でも出来てほとんど成長しない主人公の物語では感動も少ないでしょう。

この比較を劇的に感じてもらうために、通常、物語では「落とした」日常の描写から始まります。

相手より恵まれない状況から始めれば、嫉妬などの反感を感じられることを避けられます。

誰しも苦手なことを持っているものですので、その面から共感も得られます。

更に、「落とした」状況から始めることで、主人公を応援するような視点で見てもらえる効果も期待されます。

これらの効果を一気に実現するために、ヒーローズジャーニーでは通常「落とした」日常の描写から始めます。

この観察は物語リードを使うセールスレターにも即座に応用できます。

しばしば1%以上の成約率を出す「成功」したセールスレターで

・ダメな学生だった
・全くできない会社員だった
・副業は何をしても1円も稼げなかった

というような「落とした」描写から始まるのも、上に書いたような効果を得られたからだと考えられます。

ヒーローズジャーニーの起によって、自分ごととして、少なくとも応援したい主人公像が浮かんでくると、物語は冒険に進みます。

起で描かれた主人公はたいてい「出来ない」キャラクターですから、冒険なんてしたくありません。

恵まれなくとも、世の中に愚痴を言い、言い訳をして無難に生きていきたいと感じています。

ですが、それでもやむを得ない状況から冒険をすることになります。

ここで師や仲間、心の支えに出会います。

これらの助け無しでは「弱い」主人公は一人では冒険できないからです。

支えと共に冒険を進めると、最大の試練が襲ってきます。

起の状態の主人公ではとても立ち向かえないような困難。

ですが、承で成長した彼、彼女にはギリギリ超えられるくらいの試練になっています。

この場面の苦戦を描くことで、起で「落としていた」ことが効いてきます。

つまり、見ている者は主人公を応援したくなるのです。

承転はジョージ・ルーカスの言葉を使えば「中間」なので、あまり重要ではありません。

重要なのは試練を乗り越え、更に主人公が成長すること。

起で「落とし」ておいたおかげで、結の成長度合いがより劇的に感じられるようになっています。

最初はいじめられ、家庭環境も恵まれないような子供だったのが、言い訳をしたいところをぐっとこらえ、事実に立ち向かい、試練を乗り越えて成長する。

その姿に私たちは感動してしまいます。

そして、主人公に重ねられた自分も現実に立ち向かい、試練を乗り越えようと背中を押してくれる。

*

ヒーローズジャーニーの構造は、ここまで見てきたような4つの効果

・主人公との自己同一化
・物語の世界の臨場感を上げる
・応援したくなるキャラクターで感情移入
・成長を劇的に見せる比較

を実現する体系になっていたのです。

これら4つの目的を達成するための鍵は「起の主人公の描写」でした。

目的と、それらを実現している手法が見えてしまえば、別の形で利用することも出来ます。

・セールスレター
・パートナーの獲得
・敵対する者の懐柔

構造を俯瞰できる視点に立ち、あなたの目的達成のヒントになりましたら嬉しく思います。



最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。

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