歯に詰まったナッツとマーケティング

From:Dr.kappa
火曜日、午後4時03分
大学、オフィスより

金曜日のことです。

いつものように(ミックス)ナッツを食べていました。

(ナッツには良質な脂質が含まれているからです。

例えば、くるみにはオメガ3脂肪酸が含まれています。

この脂質は通常「魚に多く含まれる」と言われますが、くるみなどでも摂ることができます。)

その時は美味しく頂き、身体の変化に気付きませんでした。

帰宅後、歯を磨いていると、歯に黒い何かが挟まっていることに気付きました。

奥歯の溝の部分です。

爪や歯ブラシで取ろうとしましたが取れません。

「虫歯か?」とも不安になりましたが、昨日までは無かったので「そのはずはない」と判断。

思い出してみると、以前にもナッツを食べた後に歯に詰まったことがありました。

その日もちょうどナッツを食べていたので、「ナッツの欠片に違いない」と考えました。

それからも爪やフロスの後ろのピックで取ろうとしました。

ですが、取れずじまい。

歯に物が詰まると、その部分が磨けずに汚れが蓄積されてしまいます。

できるだけ早く取ろうとしていました。

金曜日にかなり格闘しましたが、それでも取れません。

翌日や翌々日にも格闘しましたが、それでも取れず。

月曜日になって「今日こそ取ってやろう」と念入りに格闘しました。

もちろん、一番力が掛けられる爪でも何度もこすってみました。

でも取れない。

そこで、再びピックを取り出し、力を掛けすぎて少し曲がった先っぽを注意深く欠片に合わせました。

そして、軽くピックを動かすと、あれほど取れなかった頑固な欠片が嘘のようにポロッと取れたのです。

*

この経験は、ある教えを私に思い出させました。

マーケターのマーケターと呼ばれるPSが書いた文章があります。

その中で、彼は多くの「マーケター」が行っていることを描写していました。

結論から言えば、彼らはほとんど準備せずにメッセージを「決めて」しまっています。

一方で、PSは何ステップもの準備を経て、ようやくメッセージを絞り込みます。

彼以外の「マーケター」の「あてずっぽう」と異なり、

・膨大なリサーチ
・データ
・推敲に次ぐ推敲

を経た、売れる確率が非常に高く、再現性の高いメッセージです。

彼はこの周到な方法によって、見込み客の琴線にピンポイントで触れることを可能とします。

この能力が彼に「マーケター」たちのマーケティング改善を可能とさせています。

同じことは過去の偉大なコピーライターたちも行ってきました。

彼らは「適当」にコピーを書くようなことはしません。

まずは念入りなリサーチを行います。

見込み客だけではなく、商品や、開発の背景なども。

それらの膨大な素材の中から、たった一つのアイデアに絞り込みます。

(David Ogilvyの言葉を借りれば、このようなアイデアはビッグアイデアと呼ばれます。)

磨き込まれたビッグアイデアはフロスのピックのように鋭い。

そして、歯に詰まったナッツに注意深く当てるように、見込み客の琴線にピタリと合う。

それ故、楽に目的を達成できてしまう。

ちょうど、力を掛けなくとも歯に詰まったナッツの欠片が取れるように。

コピーライティングやマーケティングにおいては、

・ヘッドコピーを何度も書き直す
・細かな表現に細心の注意を払う
・テストを繰り返しメッセージを何度も変える
・莫大な広告費を掛ける

のような苦労をしている「マーケター」が少なくないとPSの文章から読み取れます。

ただ、彼らがやっていることは、私がしていたように、まったくナッツに当たらない爪で欠片を取り出そうと力を掛けているようなもの。

成約(あるいはナッツの破片を取る)という目的を全く達成できない割に、力ばかり掛け疲弊するだけです。

次に打ち出すメッセージは、フロスのピックのように尖らせ、注意深く「ナッツの欠片」に合わせると、いつもより力を掛けていないのにいつも以上の結果が出て驚くかもしれません。



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