神童と呼ばれたモーツァルトの作曲法

From:Dr.kappa
月曜日、午後10時43分
日本、本州

3歳からチェンバロを演奏し、5歳で作曲したモーツァルト。

子供の頃から神童と呼ばれた彼には、色々な逸話があります。

10代前半の頃には、門外不出と言われた曲を耳で覚え、書き記す。

作曲した曲は決して直さない。

35歳という若さで無くなるが、それまでに作曲した曲は900曲以上、などなど。

これらの逸話はそれぞれ興味深いのですが、このメールでは彼の作曲法を取り上げてみたいと思います。

彼はどうやってこれほどの創造性を発揮したのでしょうか?

彼の手法から私たちが学べることは無いでしょうか?

実は、脳科学などの観点から、モーツァルトが行なっていた(と言われる)方法は非常に理に適っています。

(私含み)あまり知られていませんが、彼はビリヤードが好きだったようです。

そして、作曲にビリヤードを持ち込んでいました。

どういうことか?

ビリヤード台の上に譜面を置き、ボールを1辺に向かって転がします。

すると、ボールは最初の辺に跳ね返って、順番に3辺にバウンドし、自分の元へ返って来ます。

どうやら、モーツァルトはボールを投げてから手元に戻って来るまでの間に音楽を書いていたようです。

なぜこの方法だと創造性が高まるのでしょうか?

1つのことに集中する場合と複数のことをごちゃ混ぜにする場合、前者の方が効率が良さそうだと思われがちです。

ところが、長期的には後者の方が良いという結果が出ています。

具体的には、4つのこと(A, B, C, D)を勉強する場合、

・前者のようにAAAABBBBCCCCDDDDと1つづつ
・後者のようにABCDABCDABCDABCDと混ぜる

というパターンで勉強すると、勉強直後にテストしたら確かに後者は頭が混乱して成績が劣るのですが、長期的には後者の方が記憶に定着したという実験結果が出ています。

これは記憶だけでなく、課題の種類によって、どんな人が第一人者になるか?という研究でもわかっていることです。

決まったパターンを繰り返す(チェスや将棋、ゴルフなど)課題では、若い頃から集中的な練習を積んだ方が良いのですが、そうではなく、状況が変わる課題(テニスなど)の場合は、若い頃は色々と経験した方々の方が最終的にトップまで上り詰める場合が多いという研究があります。

このように、「遊び」を混ぜることをインターリーブと呼びます。

作曲はどちらの課題かと言いますと、同じ曲は決して書かないので、後者でしょう。

あるいは、「遊び」によってリラックスしている時の方が脳波的にアイデアが出やすいと説明することもできます。

いずれにせよ、ビリヤードという「遊び」を取り入れることによって、モーツァルトは短期間で名曲を膨大に創造していたと考えられています。

では、彼の手法を私たちが取り入れるにはどうすれば良いでしょうか?

1つの具体的方法は、タイマーを33分33秒にセットし、その間は作業に集中。

時間が経過したら5分間遊ぶ。

そして、この繰り返しで仕事を進める、という方法が挙げられます。

私はこの方法は聞いたことがあったので、(自分なりにわかりやすい時間幅に調整して)25分の作業と5分の休憩を1セットとして作業をするようにしています。

研究だけでなく、ライティングもこのセットで行なっています。

創造性を高めるだけでなく、こまめに姿勢を変えることにもなりますので、健康にも良いでしょう。

この方法がヒントになりましたら幸いです。


P.S. 実は、モーツァルトの話は正に今日知りました。

それは、先日発見したEugene Schwartz(伝説的コピーライター)の動画
https://vimeo.com/462267552
を見ていた時のこと。

どうやって言葉を創造しているか?について話している時に、上に書いた33分33秒のタイマーを使う方法を挙げていました。

そして、その直後、この考えを使っていた者の例としてモーツァルトが挙げられたのです。

(上の動画の39分24秒辺りから。)

モーツァルトの話がどれだけ信憑性があるのか、私が調べた限りでは裏は取れませんでしたが、ビリヤード好きだったことは事実のようです。

この話は映画「アマデウス」の中で描写されているようなので、遊びの1つとして、この週末にでも観てみようと考えています。

最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。

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