アイデアネットワークの弁証法

From:Dr.kappa
月曜日、午後6時39分
葉桜の中、図書館より

人間の認識。

このメルマガの中心テーマです。

そして、どうやって認識を変えるか。

ここが理解できてくると、狙った影響を相手に与える言葉が紡げるようになって来ます。

・買う気の無かった人に購入してもらう
・存在にさえ気付いてくれなかった高嶺の花から付き合いたいと思ってもらう
・反対していた相手を説得する

これらは「一方的」な影響ですが、より高尚な「教育」的な影響を与えることも可能になります。

(実際、友人の経営者は、この領域で仕事をしています。

私も研究者として学生さんたちを見ることがありますので、この領域に片足を突っ込んでいるかもしれません。)

認識がどんな時に変わるかは前回のメインメールでお話ししました。

そう、アイデアネットワークが書き換わった時。

そして、書き換えに有効な方法が物語でした。

なぜならば、4つの理由があったから:

1.人間の頭に合った形式だから
2.個々の事例を見せられるから
3.興味を引きやすいから
4.読みやすくなるから

と、ここまでは既にお話ししたことですが、今回のメインメールでは2つ目の理由に関して補足したいと思います。

というのも、個別の事例だからといって何でも良い訳ではないからです。

適切でない事例を選んでしまうと、アイデアネットワークが書き換わりません。

言い換えると、何の影響も与えることができません。

この事実は補足メールでお話しした科学の歴史を思い出してもらえばわかりやすいでしょう。

ニュートン力学が正しいと信じられていた20世紀以前。

この理論と辻褄の合った事例をいくら観察したところで、理論自体は変わりませんでした。

寧ろ「誤った」自信を深めるばかり。

人間の認識で言えば、日常に溶け込み過ぎており、何の印象も残さない事象。

(例えば、ご自宅の天井がどんな柄か、いま思い出せますか?

見慣れ過ぎていて、普段は特に意識していないと思います。)

この現象にも進化論的背景があるのでしょう。

既に危険が無いと認識したものには注意を払わなくなったと考えられます。

では、どんな事例を使えば認識を変えられるでしょうか?

やはり科学の歴史を見てみるのが早いです。

ニュートン力学がいつ書き換わったのか?

それは以前も書いたように、この理論で説明できない現象が発見された時。

つまり、原子サイズにニュートン力学を適用とした時に発見された「矛盾」がきっかけでした。

その結果、物理学者たちは原子サイズの現象も説明できる、辻褄の合った理解を求めました。

そうして構築されたのが量子力学。

この過程は弁証法に他なりません。

あるテーゼ(今の場合ニュートン力学)と整合しないアンチテーゼ(今の例だと原子サイズの物理現象)が現れ、2つを踏まえて新たなジンテーゼ(今の場合は量子力学)に至ります。

この構造は人間の認識に関しても同様です。

現状(テーゼ)で辻褄が合っていれば何も起こりません。

新たな認識(ジンテーゼ)に到達できるのは、アンチテーゼが与えられた時。

辻褄が合わなくなることにより、人間はコヒーレンスを求めてジンテーゼを模索します。

したがって、(相手に)「驚き」をもたらす事例でなければ効果がありません。

驚き(surprise)という表現は、先日書いた実験の報告でも使われています。

この語の心理学的定義を私は知りませんが、以上の考察を踏まえれば明らかでしょう。

既存のアイデアネットワークの予想と反する事例が驚きを与えます。

驚きがコヒーレンスを乱すと、辻褄を合わせようと私たちは(自動的に)アイデアネットワークを書き換えます。

この現象は、人間の「隙間を埋める傾向」が故に逃れることができません。

以上より、驚きを含んだ事例の物語が大きな影響力を持つことがわかります。

ここで、もしかしたらこんな疑問をお持ちかもしれません。

「具体的にどの事例が驚きを含むのか?」と。

個々の状況でこの問いに答えるには相手のアイデアネットワークの理解が必要になります。

簡単に言えばリサーチです。

その中でも、特にBDF formulaと呼ばれる方法が有効でしょう。

BDFはBelief(信念)、Desire(欲望)、Feeling(感情)の略。

リサーチの中で相手がどのようなBDFを持っているかを明らかにします。

そして、特に相手の信念と反するような事例が驚きを与えると判断できます。

具体例を挙げるなら、ピアノが弾けるようになるは

・音楽の才能
・長時間の練習
・先生

が必要というBeliefを持っている方が多いでしょう。

そんな方々に対して、このどれも不要で実際に弾けるようになった人の事例を見せれば驚きを与えるはずです。

(そして、お気付きのように、これはピアノコピーの事例に他なりません。)

コピーライティングでは、相手の判断を変えるのはビッグアイデアと言われますが、以上の考察より、この主張をもう少し精密にできます。

つまり、相手のBeliefと整合しない事例を核とするアイデアを冒頭で打ち出してあげれば効果的です。

影響力を持つ言葉を紡ぎたい際に意識してみてください。


P.S. 広告を使っていらっしゃったら、広告費に対するリターン(ROAS)の平均がどれくらいか、だいたい肌感覚をお持ちだと思います。

私が見ている限りだと、200%から300%ほどが多いようです。

ROAS 300%と言うと、1万円の広告費を掛ければ3万円の売上が、10万円を掛ければ30万円が返ってくるということです。

投資の世界ではウォーレン・バフェットでも年利22%ほどと言われていますので、1日で3倍になるというのは非常にリターンが高いですね。

さて。

私が数ヶ月間取り組んでいるGDN。

先ほどROASを計算してみたところ、2245.12%になりました。

200%ではなく2000%です。

したがって、1万円の広告費を掛ければ20万円となって返って来、10万円を掛ければ200万円になるという計算になります。

もちろん、アフィリエイトなので非承認になることもあります。

ですが、仮に半分が非承認だったとしても10倍になって返ってくるということです。

(案件の性質上、それは考えにくいのですが。

言い換えると、承認率が高いと考えられる案件を選択しています。)

私の理論はサンプル数まで考慮した統計に基づいていますので、あとは日予算を上げていくだけで売上が増えていくと考えられます。

初めての媒体だったので思ったより時間が掛かってしまいましたが、月1億が現実味を帯びてきました。


最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。

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