From:Dr.kappa
月曜日、午後6時45分
日本、本州
否定が秘めた力をご存知ですか?
一般的には、否定に対してはどこか
ネガティブな印象を持っている方が少なくないと思います。
ですが、うまく使えると非常に強力な武器にもなります。
そこで、今回は否定の用法というテーマでお話ししてみましょう。
結論から言ってしまえば、否定を適切に使うことにより、
1.興味を引ける
2.説得力が高まる
という2つの効果が得られます。
どういうことか?
順番に解説しましょう。
まずは興味について。
これは前回のメールのテーマでもありました。
つまり、人間は「空間の存在を知っているが中身を知らない」とき、
その空白を埋めようとします。
この現象を(私は現時点で)興味の定義としました。
では、なぜ否定を使うと興味を引けるのか?
否定は原理的に外側の世界を暗示しつつ、
その世界について何も言及しないからです。
この説明ではあまりにも抽象的なので、
具体例を見てみましょう。
「赤ではない」という否定文。
この文を読んでどう思われますか?
自然な反応として、「じゃあ何色なの?」という疑問が浮かぶと思います。
というのも、赤以外の世界を見せておきながら、
そこに言及して居ないから。
これは正に人間が興味を持つ状況に相当します。
「そんな机上の空論、コピーライティングには使えない」とお思いでしょうか?
実は、この否定の技術は、売れたレター、
効果が証明されているコピーでも繰り返し使われていると言ったら…?
実例を挙げましょう。
効果的な構造について解説した際にも取り上げた
ウォール・ストリートジャーナル(WSJ)のレター。
そこでは痛みと快楽を分けた違いとして
使える知識を打ち出して居ました。
ですが、その直前で否定を繰り返していることに
お気付きでしょうか?
2人の男の違いは何か?という問い掛けの後、
読者が思い付きそうな
・地頭の良さ
・才能
・努力
・成功に対する情熱
を否定します。
そして、読者自身に「じゃあ何が違いを生むのか?」という疑問を抱かせ、
興味を強めさせた上で、使える知識という「答え」を差し込みます。
(これはティーザーと呼ばれる技術でもあります。)
否定を繰り返している例は他にもいくつも挙げることができますが、
今回は否定の持つ効果のもう1つに移りましょう。
2つ目の効果は説得力が高まることです。
この主張は数学や論理学に慣れていれば理解しやすいと思います。
なぜなら、主張を聞いた時に論理空間を思い浮かべる筈だから。
少なくとも私はこんな癖を持っています。
(物理学者の中でも数学にかなり近い分野を研究しているからかもしれません。)
どういうことかと言いますと、
中学校?で習うベン図を思い出して頂ければ良いです。
ある主張は特定の領域を指定します。
例えば、数字の集合を考えると、
その一部を「2の倍数」という条件・主張によって切り取ることができます。
そして、主張の強さとはこの指定される領域の狭さに他なりません。
(例えば「6の倍数」と主張すれば更に狭い領域が指定され、
より強い主張になります。)
この事実が数学や論理学以外でも成り立つことは
具体例を見ればすぐに理解して頂けるでしょう。
「言葉の使い方、思考を磨くと、あなたは100%稼げるようになります」という主張。
これは100%と入れることにより、
論理的に可能な世界のごく1点に限定しています。
その為、あまりにも強い主張となっており、聞いた者は懐疑します。
一方、100%を50%以上に置き変えれば、指定される領域はずっと広くなり、
さっきの主張よりも弱くなります。
その為、聞いた者も「確かにそれくらいの確率はあるかも」と
納得し易くなっています。
普段、論理空間の領域がどれくらい指定されているかを
意識している方は多くありませんが、
それでも主張が強いか弱いかは
ボンヤリと感じているのではないでしょうか。
さて、この準備の上で、なぜ否定が説得力を高めるのかを考えてみましょう。
その理由は、否定は大抵の場合、指定する領域が広いからです。
例えば。
先ほど挙げた「赤ではない」という主張。
この文は赤以外の全ての色が可能なので、
この文が指定する領域は非常に広くなっています。
言い換えると、弱い主張だということ。
それ故、この言葉を聞いた者はあまり懐疑せず、
すんなりと受け入れてしまい易い傾向があります。
別の例も見てみましょう。
次の2文の内、どちらの方が説得力があると感じますか?
A:成約率80%を出すことは可能だ。
B:成約率80%は非現実的な数字ではない。
Aは肯定文、Bは否定文になっています。
よって、Aはダイレクトに論理空間の特定の領域を指定しています。
一方、Bは非現実的という強い主張を否定しているので、
指定された領域は広く感じます。
その為か、素朴には言っていることはほとんど同じなのですが、
Bの方が説得力があるように感じるのではないでしょうか?
(この事例は、現在は見られなくなっているレターを参考にしています。
確か私はそのレターから否定が説得力を上げることを学びました。
また、実はこの点は悪魔の証明という問題にも関係しています。)
以上より、否定には
1.興味を引く
2.説得力を高める
という2つの効果があります。
次にコピーを書く際、これらを意識してみると
成約率が上がるかもしれません。
P.S. 今回お話しした否定の用法は、私が普段行なっている
売れたレターの分析から得た観察の1つに過ぎません。
ここではお話できなかったような観察も説明した
分析記事が書けたのでご紹介します。
その記事で分析したレターはビッグアイデアを含んでいます。
ビッグアイデアというのは、読んだだけで行動を決心させてしまうような
強力なアイデアのこと。
それ故、セールスレターのような説得的な言葉において
最も重要な核となります。
記事はコピーライターの意図を汲み取った
翻訳作業があるので有料としています。
ただ、返金保証を付けているので、
分析部分にだけ興味がある場合は
中身を読んでから返金を申し出て貰えば
実質的に0円で読んで頂くことも可能。
なお、何本もの分析に興味がある場合は
25%OFFの定期購読がお勧めです。
このような分析記事を毎月1本のペースで公開していますので、
スワイプファイルとしてもご利用いただけます。
(売れてないレターをスワイプすると悲惨なので。)
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。
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