From:Dr.kappa
木曜日、午後8時23分
日本、本州
(これは、2020年6月5日に送信した私のメルマガを一部編集したものです。)
前回、私が行っているビジネスについてお話ししました。
端的には、既存のセールスレターを書き直し、利益が増加した場合、その増加分の一部を頂くというビジネスです。
このビジネスモデルは、私が(現時点で)理想とするビジネスの4つの条件を満たしていました。
そして、このビジネスで稼ぐためにすべきことはたった1つ、「コピーライティング能力を磨く」ことでした。
コピーライティング能力と言ってしまうと少し限定的ですが、私自身としてはもう少し広く、「言葉の操り方を磨くこと」と捉えています。
そして、より効果的に相手に影響を与え、商品を購入してもらうなど、クライアントが望む行動を取ってもらうことを狙います。
そこで、なぜコピーライティングでは無く言葉と私は言うのかを今回はお話ししたいと思います。
なお、この話は、以前簡単に触れた、私のコピーライティング理論に関するレポート(どのようにご提供するかはまだ考えていません)に含めようと考えている内容です。
まだ次回のメールで今回の続きを話すかは決めていませんが、連続してコピーライティングについてお話しする場合は、そのレポートの(ざっくりとした)構成に沿ってお話しするつもりです。
では、今回のメールの内容に入りましょう。
突然ですが、1つの質問から始めさせてください。
虹は何色あるでしょうか?
「何をつまらないことを聞いているんだ」と思われるかもしれませんが、この質問が今回の話に深く関係してくるので、真面目に考えて(と言ってもすぐ答えは出ると思いますが)みてください。
恐らく、7色だ、と思われたのではないでしょうか?
この答えは日本語話者であれば「正しい」答えです。
なぜ、私は「日本語話者であれば」などという紛らわしい前提を付けたのでしょうか?
実は、「虹は何色あるか」という問いに対する答えは、究極的には人に依るからです。
このままでは「変なことを言い始めた」と思われてしまい兼ねませんので、私の主張をサポートしてみたいと思います。
サポートする為に、なぜあなたが今7色と答えたのかを推測してみたいと思います。
簡単に言えば、まだあなたや私が子供だった頃、周りの大人(日本語を問題無く話す者たち)が虹は7色だ、と言ったからです。
このような推測をすると、「いや、実際に7色ある」と反論されるかもしれませんが、実は、大人でも「虹は7色だ」と言わない人たちが実在します。
そして、彼らは彼らの子供達にも「虹はX色だ」と言います。
彼らは何が違うのでしょうか?
実は、彼らは色に対する言葉が少なく、2色に相当する言葉しか持たないのです。
したがって、生物学的には同じで、全く同じものを見ているにも関わらず、彼らは「虹は2色だ」と言います。
つまり、私たち日本語話者が虹が7色だと「認識する」のは、より根本的には、虹の7色に相当する言葉を持っているからです。
言い換えれば、もし2色分しか言葉を持っていなかったら、「虹は2色だ」と言うことになります。
したがって、冒頭の「虹は何色でしょうか?」という問いに対する正しい答えは、「その人が持っている言葉に依る」となります。
ここでは、色という、かなり明確に「意味」の定まった言葉を考えました。
では、より曖昧な言葉だったらどうでしょうか?
例えば、善や愛、希望など。
これらの定義を、なぜ我々は「明確に」、人類に普遍的なものとして与えられないのでしょうか?
(色であれば、物理的に光の波長を使って人類に普遍的に定義することができます。)
その理由は、先ほどの虹の例をもう少し深く観察すると明らかになってきます。
私たちは、どうやって(例えば)赤色という言葉の「意味」を獲得したのでしょうか?
もしかしたら、あなたがまだ言葉を持たなかった頃、ご両親(や兄弟ら)がリンゴを指差しながら、「これが赤だよ」、と言ったことによって「赤色」を獲得したと思われるかもしれません。
ですが、子供の頃の私たちは、そもそも言葉を獲得していませんから、指差している本人が何を指差しているのかを認識できません(そもそも指を指すという動作さえ理解できません)。
もしかしたら、リンゴの名前が「アカ」だと思うかもしれません。
あるいは、リンゴを持っている手が「アカ」というものだ、と認識するかもしれません。
はたまた、リンゴを持ってそれを指差すという動作全てのことを「アカ」と呼ぶのだと認識する可能性さえあります。
では、私たちはどうやって「赤色」を獲得したのでしょうか?
結論から言えば、私たちは文脈から推測することによって「赤色」を獲得したはずです。
つまり、リンゴや郵便ポストや、あるいは夕焼けに染まった空を周りの大人たちが「アカイ」と言い続けることによって、「どうやらこれらに共通する見え方をアカというらしい」と私たちは理解したはずです。
言い換えると、私たちは、最初言葉の意味を獲得するとき、それらの言葉が使われる文脈から推測して「意味」を獲得していきます。
(辞書から意味を知るわけではもちろんありません。)
私たちは普段このような背景を意識しませんので、お互いに同じ言葉(例えば「赤」)をやり取りしていたら、お互いが「同じ意味」を受け取っていると思ってしまいがちです。
ですが、そもそも最初の意味の獲得が「文脈からの推測」に基づいていた以上、「意味」には揺らぎがあります。
つまり、人によって微妙なニュアンスは異なると言うことです。
「赤」のような具体的な言葉であればその揺らぎは小さいのですが、善や愛、希望などの抽象的な言葉になってくると、意味の揺らぎが大きくなります。
具体的には、その人が今までに触れてきた文脈によってそこから推測される意味は変わってきますので、原理的に個々人が異なる経験をしている以上、言葉の「意味」は人に依って異なってきます。
その結果、例えば自分ではそんなニュアンスで言っているつもりでなかったとしても、相手は異なるニュアンスを「同じ」言葉に抱いている場合がある為、思いがけず傷つけてしまうこともあります。
さて、ここまで、言葉と意味についてお話ししてきました。
ここで、冒頭の虹の例に戻ってみましょう。
私たち日本語話者は虹を表す7色の言葉を持っています。
したがって、我々の認識・思考・判断には7色が含まれています。
より端的に言うなら、我々の世界には7色の色が存在します。
ですが、2色に相当する言葉しか持たない方々は、彼らの認識・思考・判断には2色しか含まれていません。
言い換えるなら、彼らの世界には2色しかないと言うことです。
私たち個々人の世界は、認識や思考・判断でできていますから(あるいはこれらの総体を世界と定義しても良いです)、持っている言葉によって世界が変わってくるということです。
(ちょうど、日本人の世界では虹は7色で、2色しか言葉を持たない者たちにとっては虹は2色であるように。)
このことを、分析哲学者のウィトゲンシュタインは「世界は言葉でできている」と表現しました。
(ご興味がありましたら彼の著書「論理哲学論考」を読んでみることをお勧めします。)
今回の話から、ウィトゲンシュタインの主張をもう少し言い換えると、言葉の「意味」を推測する土台となっている経験は人に依って異なりますので、人に依って持っている言葉は異なってきます。
その結果、言葉の総体として構成される世界も人に依って異なると言うことになります。
少し退屈な話が続いたかもしれません。
この話が、なぜコピーライティングと関係するのでしょうか?
それは、あなたが発する言葉を受け取る方は、全く異なる意味の総体からなる世界を持っており、したがって言葉の受け取り方が全く異なってくるからです。
コピーライティングというのは、言葉によって相手に影響を与えることだと私は定義していますので、「人に依って言葉から受けるニュアンスは異なる」という決定的な事実をまず肝に銘じるべきです。
さもなくば、こちらがそのような意図はなくとも相手を傷つけてしまう場合のように、望む行動を取ってもらうことは期待できません。
したがって、コピーライティングでまず真っ先にすべきは、想定される読者の言葉を理解することです。
彼らの世界を理解することと言っても良いです。
(ただし、やはり全く異なる経験を持っている他人である以上、どこまで行っても推測の域は抜けません。)
そして、彼らの言葉で語るべきです。
では、読者として想定される方々の言葉・世界を理解するには何をすれば良いでしょうか?
その答えが、いわゆるリサーチです。
彼らは普段どのようなことを信じ、望み、そして感じているのか、言葉にどのようなニュアンスを持っているのかを調べ、明らかにして行きます。
これが、コピーライティングでリサーチが大事と言われる(本当の)理由です。
したがって、リサーチをどれくらい行うかでコピーライティング能力が大体測れると考えて良いでしょう。
コピーライティングを始めたばかりの頃の私のように、リサーチをほとんど行わないと、自分の経験に基づいた推測で「ターゲットとなる方々はこれを求めているだろう」と予想しますが、その予想は大抵外れます。
人間は、それぞれ固有の経験を持っており、その意味で各自が特殊な世界を持っています。
それ故、その特殊な世界に基づいた推測は(ほぼ必ず)外れます。
例えるなら、砂が大好きな人が砂漠に行って、自分がこんなに砂が好きだから周りの人たちも砂が欲しいだろうと予想して砂を売ったら、実は彼らは水を欲していたというような状況になり兼ねません。
したがって、言葉で人に影響を与えようとする際には、まず真っ先に相手の言葉・世界を理解するようにしましょう。
一流のコピーライターたちが口を揃えて「リサーチ、リサーチ、リサーチ」というのには理由があります。
P.S. 実は、5月末は、先日触れた営業メールでご縁を頂いた企業のセールスレターの書き直しをしていました。
結局2万1000字を超えるレターになりましたが、私がこのレターを書くのに費やした時間は2週間でした。
その内訳は、リサーチ10日間、執筆3日間です。
リサーチを徹底的に行うことにより、ターゲットに刺さる言葉が明らかになってきます。
このようなことを言うと、「実際に刺さっているのか?」と思われるでしょう。
そこで、私が納品したそのセールスレターの今のところの成績をお伝えしましょう。
コピーライティングの世界では、ヘッドライン(冒頭で大抵は大文字で打ち出す言葉)を読む読者は本文を読む読者の約5倍いるという統計が出ています。
つまり、通常はヘッドラインで8割の読者が離脱してしまうと言うことです。
私のレターはどうでしょうか?
ヒートマップというツールで、どこが読まれているか分析したところ、本文へ8割の読者(平均の4倍)が進んでくれていることがわかります。
それだけではありません。
通常10%居れば大成功と言われる、オファーまで読む読者が50%ほどおり、ページが見られた全回数(全PV)の8.3%が購入ボタンを押してくれていることもわかりました。
なお、1人あたり、1.62回ページを見ているというデータが出ています。
(3人に2人ほどは2回読んでいるということです。)
もしこの重複をカウントしなければ、購入ボタンのクリック率は更に高くなります。
成約率5%が出れば大成功と言われていますので、まあまあの成績ではないかと思います。
(私自身はもっと数字が出ると思っていたので、私にとってはまだまだ修行が足りないと反省する機会になりました。)
その結果か、商品を販売しているプラットフォームでもランキング6位にランクインしていました。
クライアント企業の利益増に貢献できていたとしたら、素直に嬉しく思います。
P.P.S. 前回ご紹介した、私が毎日行なっている売れたレターの分析ですが、メルマガの読者さんには無料でプレゼントしても良いと考えています。
欲しい方はいらっしゃいますか?
もしいらっしゃったら、私までメールでご連絡ください。
noteでは今のところ有料で販売しており、無闇にばら撒くことはしにくいので、ご連絡を下さった方にはプレゼントしたいと思います。
なお、今数えたところ、既に分析したレターは今のところ17本あります。
したがって、最大で17本(ほとんどが英語のレター)の分析をプレゼントできます。
(先日noteに公開したもの以外はまだ日本語訳を付けていません。
レター部分は英語のままで良ければすぐにプレゼントできます。)
そこで、どなたに何本プレゼントするか、公平に決められないかと考えたところ、次のようにしてはどうだろうかと思い至りました。
私のメルマガを第三者にご紹介して頂き、その結果登録された方の人数分だけプレゼントする、と。
そうすれば、このメルマガで一貫してお話ししているビジネスの肝であるセールスの練習をして頂くこともできるからです。
その際、ご紹介して頂いた方のメールアドレスを教えて頂けると助かります。
なぜなら、個人情報保護などの観点から、私は読者さんの名前やアドレスがわからない「まぐまぐ」を使用しているからです。
ただ、あるアドレスが登録されているか否かは確認できますので、教えて頂いたアドレスが登録されていることを確認できたら、売れたレターの分析をプレゼントさせて頂きます。
ご連絡頂いたら、レターのタイトルのリストを送りますので、どれをご希望か教えてください。
紹介して頂いた方の本数分だけプレゼント致します。
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。
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