From:Dr.kappa
木曜日、午後7時22分
日本、本州
(これは、2020年8月28日に送信した私のメルマガを一部編集したものです。)
私が小学6年生の頃。
クラスメイトは親友ばかりで、毎日学校に行くのが楽しみでした。
(当時、私は海外にいました。)
楽しかったのは、仲の良い友達が多いからだけではありません。
授業も楽しかったですし、休み時間に友達と遊ぶのも最高に楽しい時間でした。
ただ、もしかしたら、一番楽しみにしていたのは、好きなクラスメイトに会えることだったのかもしれません。
しかも、実は好きな子が2人いました。
(当時は小6でとても純粋な子供だったので、悪いことだとは思っていませんでした。
もっとも、好きになるだけなら今も悪いとは考えていません。
我々は通常、好きな人には人並み以上に思いやりを持って接したりしますので、寧ろ良いことではないかとさえ考えています。
もちろん、気持ちを超えて法律に触れる行動に出るのは「悪い」のですが。)
好きな人に会えると気持ちが踊るものです。
試しに初めての恋人ができた時を思い出してみてください。
きっと毎日でも会いたいと思われたと思います。
少なくとも私はそうでした。
そして、クラスに好きな子がいれば平日は毎日会えます。
(土日に父親と近くにキャッチボールをしに行ったら、たまたまその1人の親子とすれ違い、挨拶ていどの会話を数言交わしただけなのに、異常に嬉しそうにしてしまったことを覚えています。)
しかもそんな子が2人もいれば、更に楽しい時間となります。
では、好きな人ができると私たちはどんな行動に出るでしょうか?
確か当時の私は
・その子たちの誕生日はいつだろう
・趣味はなんだろう
・好きな人はいるのか?(そしてあわよくば自分ではないか?)
このようなことを考えていました。
ただ、うぶだった当時の私は直接これらのことを本人に聞くことはできませんでした。
ですが、(私の記憶が正しければ)幸いなことに(?)当時クラスの女の子たちを中心に交換ノートのようなものをしており、そこに誕生日を書く欄がありました。
そのノートは特に隠されていたわけではなかったので、私の元にも回ってきたような記憶があります。
ただ、当時の私は格好つけて(?)そんなノートには興味無いというような態度を取っていましたので、書いた記憶はありません。
書きはしなかったのですが、気になる子たちの誕生日はいつだろう?などと気になって、他の人たちが書いたページを読んだ記憶はあります。
(そして、確か、好きな人を書く欄もありました。
当然、名前をダイレクトには書かれていませんでしたが、何文字の名前などと書かれていて、自分の名前の文字数が当てはまらないかと数えて一喜一憂していた記憶があります。)
こんな千載一遇のチャンスを逃すまいと、表面上は落ち着いて、興味なさそうに見ているフリをしていましたが、内心はその子たちの情報を一生懸命頭に叩き込んでいました。
私はそんな子供でした。
その後その子たちとどうなったのか。
その話は省きますが、なぜ私はこのような話をしたのでしょうか?
理由は、リサーチの重要性について話す為です。
私たちは好きな人ができたら何をするでしょうか?
当時の私は恋愛については何も知りませんでしたので、ここに書いた私の思い出は恐らく人間が本能的にする行動を表しています。
その行動が他でもなくリサーチです。
つまり考えている相手について知るということです。
(恋愛の場合は本能的に知りたいという感情もあるように感じます。)
なぜ相手を知るのか?
自分を好きになってもらいたいからです。
例えば、好きな人の趣味がわかったら、その分野について勉強し、一緒に話せるようになろうとするかもしれません。
誕生日がわかったら誕生日プレゼントを贈ることで(関係性によっては)喜ばれるかもしれません。
話が盛り上がれば「気が合う人」と感じてもらえ、好意を持ってもらえるかもしれません。
これらの影響を期待して私たちは好きな人ができると、その人について知ろうとします。
その人を深く理解しようとしてしまいます。
そしてこの行動はコピーライティング的に「正しい」ことです。
相手のことを知らなければ、狙い通りの影響を与えることはできません。
例えるなら、ダーツで的の場所もわからずに投げるようなものです。
相手の感情に刺さるように投げることはほぼ不可能です。
(もちろん偶然刺さる可能性はありますが。)
人間は感情によって一瞬で判断し、その後は理論的に自分が下した判断の正当化を行なっているということが脳科学的にわかってきています。
したがって、相手にこちらが望む行動をしてもらうには、まずは行動したくなる感情を喚起するのが鉄則です。
ですが、相手のことがわからなければ、どのように働き掛けることで動機となる感情を喚起できるのかがわかりません。
「言葉と世界の構造」の回にお話ししましたが、人はそれぞれの経験に基づいた独自の世界を持っています。
言い換えるなら、それぞれの言葉に、各自が微妙に異なるニュアンスを抱いています。
その結果、同じ言葉に対しても人によって受ける印象が変わってきます。
つまり、ある人は説得できる言葉であったとしても、別の人は怒らせてしまう可能性もあるということです。
また、同じ人でも時間の経過によって経験が増え、言葉に抱くニュアンスが変化しますので、ある時には説得できた言葉でも、別の時には説得に失敗する可能性もあります。
(「言葉と世界の構造」を読みたい場合はこちらからどうぞ:)
したがって、相手に狙った影響を与えるには、相手について(より正確には相手の世界について)深く理解することが必要です。
的の場所を正しく把握することによって初めてコンスタントに当たるように投げることが可能となります。
相手の世界を理解するために行うのが他でもなくリサーチです。
恋愛においては、リサーチは小6の私が本能的に行なったように、好きな人について知ることを意味します。
コピーライティングにおいては言葉によって購入などの行動を読者に促しますので、見込み客の理解を目指します。
また、コピーライティングはビジネスの一部ですが、より視野を広げて言葉と捉えれば、ビジネス全般に関しても同じことが言えます。
つまり、見込み客の理解がどんなビジネスでも重要だということです。
例えば、「戦略的であれ」の中で書いたように、強い欲求のある市場(=規模の大きい市場)を選択し、その市場で消費を行なっている方々を理解することで失敗しにくいビジネスを構築することができます。
(「戦略的であれ」はこちらからどうぞ:)
具体的には、まだ満たされていない欲求を探り出し、その痛みを解決する商品・サービスを提供していけば儲かるビジネスを作りやすいと考えられます。
1つ注意点は、現代のように商品・サービスが溢れている自体には、わかりやすい欲求は大抵満たされています。
「じゃあ商品を作れないじゃないか」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。
なぜなら、見込み客は大抵自分の痛みに気付いていないからです。
(痛いので見ないようにしていると言った方が正しいかもしれません。
例えば、肥満の方は太っているという現実を認めたくないので体重計に乗るのをためらう傾向があります。
これも痛みを避けるが故の行動です。)
したがって、起業家であるならば、私たちが痛みを発見し、見込み客に提案していくべきです。
(例えば、iPhone以前、人々はそれまでのスマートフォンに特に不満を持っていませんでした。
ですが、スティーブ・ジョブズらが「ボタンが付いているのはクールでない」「出荷した後にはアップデートできない」などという痛みを発見・提案し、現在では世界でも最大規模の企業となったアップルの成長を支えました。)
この隠れた痛み、潜在欲求を明らかにするにもリサーチが必須です。
隠れていることを知るには、何が隠れていないかを明らかにする必要があるからです。
(したがって、競合のリサーチも入ります。)
では、具体的にはどうやってリサーチすれば良いでしょうか?
端的に答えるなら、決まった方法はありません。
元々の目的である「相手を理解すること」を達成するためであればどんな手段でも構いません。
ただ、そうは言っても取っ掛かりが無いと難しいとも思いますので、今回のメールの最後にいくつか具体的なリサーチ方法をご紹介して終わりたいと思います。
相手について理解するには、できるだけ素の言葉が出ている場所を調べると良いです。
したがって、私はよく以下の場所を調べます:
・Yahoo!知恵袋
・教えて!Goo
・Twitter
・Amazonのレビュー
・2チャンネル(5チャンネル)
・note(日記調の記事)
また、可能であれば想定している相手に含まれる方々に直接聞くのも効果的です。
これらの場所には、明らかにしたい根底にある感情が(自分のことをよく見られたいなどの)他の感情によってあまり隠されていないので、素の相手を理解するのに役立ちます。
例として、美容商品をセールスレターやアフィリエイトで扱う場合を考えてみましょう。
この場合は(その商品を含め)関連した商品をAmazonで検索し、レビューを調べることによって、「どんな悩みを解決するために購入したのか?」「普段どんなことを考えているのか?」「彼らはどんな言葉を使うのか?」などを読み取ることができます。
美容商品の場合は@コスメなどでレビューを調べるのも効果的でしょう。
このように、リサーチでは想定しているターゲットを理解するために、考え得るありとあらゆる場所を調べ、彼らの理解を深めましょう。
(参考までに、私が最近書いたセールスレターについて少しだけコメントしておきます。
そのレターの見込み客はリフォーム業者というとてもニッチな分野でした。
Amazonで調べると、一般ユーザー向けのリフォームのポイントをまとめた書籍は多く見つかるのですが、リフォーム業者向けの本は私が調べた限りは見つかりませんでした。
検索エンジンでキーワードを検索しても、元リフォーム会社社員の方々のブログなどは見つかりましたが、彼らの立場からユーザー向けにリフォームの際に気を付けると良いポイントなどを解説されているだけで、リフォーム業者としての声は拾えませんでした。
では、このような状況ではどうやってリサーチすれば良いでしょうか?
しばらく考えた結果、リフォーム業者の方々が集まるイベントのようなものは無いか?と思い付きました。
調べてみると、毎年行われているリフォーム業者の方々が集まるフェアが見つかりました。
そのイベントを紹介したサイトには、参加者のインタビュー動画が載っており、そこから彼らの感情を理解することができました。
更に、そのイベントを開催している会社はリフォーム業界の新聞も発行していることがわかりました。
新聞の記事からもそれを読んでいるリフォーム業者の方々が求めているものであったり感情であったりが読み取れ、更に理解を深めてくれました。
このように、リサーチにおいては書こうとしているコピーに合わせて臨機応変に考える必要があります。
その際は本来の目的である「ターゲットの声、感情、言葉、思考がどこに載っているか?」と考えて頂ければ、適切な場所が見つかると思います。)
リサーチの結果、相手を深く理解できれば、刺さる言葉の骨格となるいくつかの要素も明らかになります。
これについては次回お話ししましょう。
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。
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