From:Dr.kappa
月曜日、午後5時24分
大学、オフィス近くのカフェより
インターネット。
それにSNS。
これらの発達によって10年前には無かったものが生まれました。
しかも、鬱陶しいと感じている方が多いもの。
それはDM。
こんなメッセージを受け取ったことはありませんか?
「ネットビジネス〇〇のAと言います。
私は昔はノウハウコレクターでした。
ですが、あるきっかけで1ヶ月で23万円を稼げました。
今では半自動で安定収入を得ています。
その稼げる有益な情報を発信しているので以下のライン@にご登録ください。
今なら私が実践したノウハウを詰め込んだマニュアルを特典としてプレゼントさせて頂きます。」
(これは私が実際に受け取ったDMを一部編集・簡略化したものです。)
さて、もしあなたがこのDMを受け取ったらライン@に登録しますか?
ライン@はメルマガになったり、(ツワモノだと)いきなりセールスして来る方もいらっしゃいます。
ですが、このようなDMで成約できるのでしょうか?
少なくとも私は1度も登録・購入したことがありません。
他の方々もほとんど行動しないでしょう。
なぜ、このような言葉だと成約しにくいのでしょうか?
なぜ、彼らはこのDMで成約できると考えるのでしょうか?
なぜ、このようなDMを送る方々が後を絶たないのでしょうか?
理由はシンプル。
彼らは知らないから。
人間が行動する論理を。
そして、効果が期待できない、もう1つの論理を使ってしまっているから。
私もこうやって偉そうに書いていますが、これからお話ししようとすることは数ヶ月前までは知りませんでした。
したがって、彼らも彼らなりに考えた結果、上のような言葉になったのだと思います。
(恥ずかしい話ですが、私も言葉の研究を始めたばかりの頃は上のDMに近いコピーを書いていたような記憶があります。)
言い換えると、この論理について知りさえすれば、成約率は跳ねると考えられます。
実際、この論理をPPCアフィリエイトに応用したところ、遷移率が11.4倍になりました。
また、最近のメルマガにも応用しています。
(もしかしたら気付かれたかも知れませんね。)
その結果、ある読者さんからは「読みやすくなった」というコメントを頂きました。
では、
・成約率を上げ、
・遷移率を上げ、
・読みやすくしてくれる
論理とは何なのでしょうか?
**
少し話が変わりますが、先日のこと。
Gary Bencivengaに関して調べ物をしていた時のことです。
英語圏では有名なマーケター。
Rich Schefrenのブログ記事を発見しました。
この記事を読み始めて私は驚きました。
というのも、彼が巧妙にこの論理を使っていることに気付いたから。
なぜ驚いたのか?
それは私の中で彼はマーケターという認識だったから。
もう少しあからさまに書くと、彼は戦略立案や仕組み作りが一流なのであって、セールスが巧みだという認識は個人的に持っていませんでした。
(失礼な話ですが。)
ですが、彼のブログ記事を読み始めて、私の認識は誤っていたことを知ったのです。
彼くらいのレベルになると人に影響を与える言葉の使い方を心得ているのでしょう。
それが勉強に由来するのか、あるいは経験から体得したのかは分かりませんが。
いずれにせよ、私が最近理解した論理を、彼は「何気無い」ブログ記事にも応用していたのです。
この論理については本を丸々1冊使って解説されている程なので、とても今回のメールだけでは説明し切ることはできません。
(ちなみに、上のブログ記事で触れられている論理とは全くの別物です。)
ですが、同じことは表現を変えて別の方々も言っています。
例えばSimon Sinek。
彼の言葉を引用します:
”人間の行動に影響を及ぼす方法は、ふたつしかない。
操作(マニピュレイト)するか、鼓舞(インスパイア)するか、だ。”
(インスパイア型リーダーはここが違う WHYから始めよ p.21 サイモン・シネック 日本経済新聞社)
この主張を読んだ時、私はモヤっとしました。
「そんな気もするけど、本当かな?」と。
この疑問を解消してくれたのが、哲学者が提唱した「2つの論理」という考え方でした。
したがって、私は今ではSinekの主張に納得しています。
もしかしたら、あなたは上の主張を聞いても私のようにモヤっとせず、すんなり納得できたかも知れません。
その場合は細かいことは気にしなくても構いません。
冒頭のDMがどちらの方法に該当するのかを見てみましょう。
すると、明らかに操作(マニピュレイト)になっています。
一方的な主張(「有益な情報」など)を受け取り手に押し付けているからです。
そんな主張の連続によって相手に影響を与えようとしています。
ですが、これは美しい方法ではありません。
Sinekも言うように、確かにこの方法で行動してもらえる場合もあります。
ですが、操作された人間を注意深く観察してみると、そこには反発心が生まれていることに気付くでしょう。
反発されたら最後、再び行動してくれることは期待できません。
それ故、継続的に影響を与えたい場合(ビジネスでリピートしてもらいたい場合など)には、操作ではなく鼓舞を使わなければなりません。
冒頭で掲載したDMの送り手(や過去の私)はこの点を知らなかったが為に、操作に訴えるという「過ち」を犯してしまいました。
ただ、このように書くと、こんな疑問を抱くでしょう。
「操作してはならないことは分かった。
だが、どうやって鼓舞するのか?」と。
これこそ、2つの論理を理解したことで、私が理解できた点です。
そして、Schefrenのブログ記事で利用されている方法でもあります。
この点についてはまた今度お話ししましょう。
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。
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