From:Dr.kappa
木曜日、午後3時05分
大学、オフィスより
研究会に参加しています。
このような時代なのでオンラインで。
研究は何故か顔を合わせ、黒板にチョークで走り書きしながら、あーでもない、こーでもない、と議論すると進む傾向があります。
ですが、発表を聞く分にはオンラインでも十分。
寧ろたとえ地球の裏側の研究会でも参加できるのは便利ですね。
そんな研究会ですが、先日聞いた発表が良かったので、今日はその話をさせて下さい。
彼は非常にテクニカルな計算方法の説明をしていました。
通常の発表者であれば「あ、分かんない」と感じると、私は途中から内職を始めることもあります笑
ただ、彼は違いました。
技術的な研究の話にも関わらず、最後まで聞かされてしまったのです。
彼は何が違ったのか。
発表を聞いている当時は気付かなかったのですが、後から思い出してみると、デモをしてくれていたことに気付いたのです。
(私は頻繁にノーベル物理学賞を取ったファインマンの方法を使います。
簡単に言えば、発表を聞いたり、本を読んだりした後に、白紙再現できるか?を試してみることで理解の深さを確かめる方法です。
そして、自分の言葉で説明できなかった部分は戻って勉強し直します。
これを繰り返すことで理解が深まる、ファインマン自身が効果を実証している勉強法。
私は発表を聞いた後、論文を読み終えた後などに理解を深める目的でしばしばこのファインマンテクニックを使います。)
つまり、最初は抽象的にアルゴリズムを説明するのですが、その後すぐに簡単な具体例を使ってアルゴリズムがどう機能するのかを見せてくれていたのです。
その為、ファインマンテクニックで白紙再現を試みても「こんな計算をしていたな」とほとんど再現できました。
(今でも可能だと思います。)
さて、私は言葉の研究をしているので、その理論を研究発表にも応用しています。
どうすれば理解してもらいやすいか。
どんな順番で伝えるか。
何を見せ、何を見せないか。
自分が気に入っている結果でも、相手にとっては混乱の種でしかないと判断すれば容赦無く削ります。
ただ、幸か不幸か、今までは私は彼のようなテクニカルな計算の研究発表はしたことがありませんでした。
そこで、もしそんな機会が訪れたら、私もデモを使おうと思った、という次第です。
なお、このメルマガでわざわざ今回の話を取り上げた理由は、他でも無くコピーライティングに使えるからです。
例えば以前も触れたEugene Schwartz。
プロのコピーライターでもhit ratio(ROASが100%を超える確率)が30%の中、驚異的なHit ratio 85%という数字を出していた人物です。
そんな彼が書いた1本のセールスレターを以前分析しました。
そのレターで販売していたのは、テレビの修理法を解説した本:
http://www.scottedelman.com/wordpress/wp-content/uploads/2014/12/WebofEvilAdNov1952.jpg
見込み客はそんなもの普段は欲しいと感じていません。
では、Eugene Schwartzはどうやって彼らに欲しいと思わせたのか?
ものの数10秒ほどで行える簡単なチューニング方法をいくつかレター内で公開してしまったのです。
いわば、文字だけのデモ。
それらのチューニングで直せるのは最も頻度が高い障害の2,3個。
したがって、レターを目にした見込み客がいま実際に悩んでいる可能性も小さくありません。
もし、そんな状況で言われた通りに操作して自力で直せたら?
たった数10秒のメンテナンスで修理工に支払っていた数1000円が節約できたら?
レターに載っている情報に価値を感じずには居られないのではないでしょうか。
当然Eugene Schwartzはデモの有効性を理解していた筈なので、このような形式のレターを書いたのだと考えられます。
(私の予想では、例え本を購入しなかった方でも、後から使えるようにそのレターを保存しておいた方々が少なくなかったのではないかと思います。)
Hit ratio 85%のコピーライターも使う方法なので、売れない場合はデモを使えないか?と考えてみると良いかもしれません。
(より抽象的には、デモはあくまで相手自身に価値を感じてもらう1つの方法でしかないのですが。)
P.S. レター執筆覗き見企画へのご連絡ありがとうございました。
ありがたいことに、今もいくつものレター執筆の依頼が溜まっています(単に私が書くのが遅いだけという見方もありますが笑)ので、この企画はまた行いたいと思います。
「今回参加できなかった」という場合は、次回以降を楽しみにしていて下さいね。
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。
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