From:Dr.kappa
木曜日、午後4時42分
大学、オフィス近くのカフェより
セールスレターを執筆しています。
そこで、今月のメインメールでは私が発見したリサーチ場所をお話ししてみましょう。
私が不勉強なだけかもしれませんが、この場所をリサーチに使うことを薦めている方は知りません。
なので、もしかしたら私以外にこの使い方をしている人はいないのかもしれません。
と、焦らしても仕方ないので、早速本題に入りましょう。
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リサーチの場所として、私が調べているところは色々あります。
商品を購入した方々の声は有名ですね。
この場所はもはや必須。
それ以外には何があるでしょうか?
私がよく見る箇所としては他には、同ジャンルの商品を購入した方々の声が挙げられるでしょう。
Amazonを使えばそんな生の声が簡単に見つかります。
したがって、クライアントの競合の商品のAmazonのレビューも必ずと言って良いほど調べています。
(似た場所として、ガールズチャンネルや5ちゃんねる、Yahoo知恵袋などの掲示板系も挙げられます。
これらの場所には匿名で書き込みができるので、生の声に近い言葉を拾うことができます。)
他には?
見込み客と同じ属性を持つ方々にインタビューすることもあります。
この場合は自分が聞きたいことを聞けるので非常に有益な情報が得られます。
もう少し商品から離れた場所はどうでしょうか?
リサーチでは相手が使っている言葉、彼(女)らが持っている世界観を理解することが重要なので、見込み客が読んでいる書物を調べることもあります。
私が以前書いたセールスレターは建築関係に従事している方が対象という、非常にニッチなジャンルでした。
その為、顧客の声はどんなに探しても出てきません。
(上で触れたAmazonを使っても調べてみましたが、出てくるのは逆に家を買いたい方々の声ばかりでした。)
そこで、どうしようかと考えた結果思い付いたのが、彼(女)らが読んでいる業界の新聞を調べるという方法でした。
その新聞が買われているということは、そこに載っている情報に価値を感じているということ。
したがって、この事実から有益な情報を引き出すことができました。
実際、そのセールスレターはほとんどこの新聞から得た情報を元に執筆したほどです。
ただ、このリサーチ場所は冒頭で触れたものではありません。
というのも、「見込み客が読んでいる書物を調べろ」という教えは、少なくとも私は聞いたことがあったからです。
では、私が発見したリサーチ場所はどこか?
YouTube。
「なーんだ、それくらい知ってるよ」と思われましたか?
ですが、もしかしたら、私がリサーチに使った場所は少し違うかもしれません。
YouTubeの動画ではないからです。
では何か?
コメント欄。
ここも掲示板の特性を持っているので、素の声が出やすいからです。
しかも、私が使ったことがある箇所は商品とも関係がありません。
具体的には音楽動画のコメント欄です。
なぜ、ここが使えるのか?
それは音楽は感情に訴えるものがほとんどだからです。
朝一で聴く音楽はテンションを上げる為。
失恋した時には慰めてくれたり、励ましてくれる音楽。
落ち着きたい時にはクラシック。
などなど。
音楽は感情と密接に関係しています。
そして、YouTubeのコメント欄を見ていると、そんな感情の噴出、抑え切れない気持ちが綴られていることに気付くでしょう。
具体的に日本語で書き込まれているコメントが(比較的)多い曲を挙げるなら、宇多田ヒカルさんの『PINK BLOOD』のコメント欄が参考になるかもしれません。
「感情の噴出」をいくつも見ることができます。
また、彼女の他の曲のコメント欄も見ていると気付くと思いますが、映画やアニメなども感情を動かされる場合が多いようです。
したがって、大ヒットした映画やアニメの音楽動画のコメント欄も調べてみると感情や言葉について得られるものが少なくないでしょう。
コメントからは大体の年齢も読み取れるので、
・どの年代の人は
・どんなことに悩み、
・どんなことに喜びを感じているのか?
を学ぶことができます。
これらの感情の種、珠玉の言葉をストックしておけば、ライティング(だけでなく人間理解)の底力となって、ちょっとした言葉の選択に活きてくることでしょう。
YouTubeで音楽を習慣的に聴いていらっしゃいましたら、ちょっと意識してコメント欄まで覗き、感情の種を拾っておくことをお勧めします。
P.S. 人間やその言葉について考える際、言葉の起源を調べてみるという方法は有効な手段の1つです。
実際、ニーチェはこの方法で善悪の起源を明らかにしました。
(私の理解では、その結果、キリスト教の否定にも繋がったという経緯があります。)
そこで、「感情」、英語だとemotionの語源をちょっと見てみましょう。
するとmotion(行動)と入っていることから、行動に関連したものだと考えられていたことがすぐに気付くでしょう。
試しに語源英和辞典で調べてみますと、ex(外へ)moveo(動かす)が語源となっているとのこと。
ですので、「行動を喚起するもの」と考えられていたらしいことが読み取れます。
この簡単な調査から、「人間はどんな言葉によって感情を噴出させるか?」を日頃からコツコツストックしていくと、必ずや相手の行動を促す力になると考えられます。
私も続けているこの「ちょっとしたこと」は、既に多くの知らなかった世界を教えてくれました。
P.P.S. 宇多田ヒカルさんの曲がオススメなのは、彼女自身が言葉と人間について深い理解を持っている(と私には見える)からです。
彼女の言葉が多くの人に刺さるのもそれが原因でしょう。
したがって、彼女が書いた歌詞についてのコメントが多く見られます。
歌詞を調べてみるのも人間と言葉についての考察を深める良い訓練になると思います。
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