稼げる者と稼げない者の簡単な見分け方

From:Dr.kappa
月曜日、午後10時14分
日本、本州

私は友人に恵まれています。

彼らは皆良い人たちであることは共通です。

ただ、私が研究者でありながらビジネスを行なっているという関係で、
複数のグループに、異なるタイプの友人を持つことができています。

例えば、ビジネスを始めてから知り合った経営者の友人たちには、

・マーケティングのセミナーを販売し、毎年2億円の売り上げ貢献をする者
・役人から起業し、現在はトップ企業の経営者らにアドバイスしている者
・経営コンサルタントとして様々な中小企業の業績をV字回復させている者

がいるかと思えば、学生時代の友達は会社員をしている者たちが多いです。

(もちろん、研究者の友人もいます。)

そして、稼ぎという観点で彼らを見てみると、
前者の友人たちの方が後者より稼いでいるのは事実です。

稼ぐ者と稼げない者、何が違うのでしょうか?

この違いはビジネスで稼ぎ続けていくには非常に重要なのですが、
巷ではあまり話されないテーマなので、
今回のメインメールで取り上げてみたいと思います。

稼ぎたいと思っているのに、稼げない者の考え方をしてしまっている方々も多いので、
ここを変えるだけで大勢を抜け出せるかもしれません。

さて、では本題に入ります。

両者の違いを一言で表せば、見ているところです。

稼げない者は点に注目し、局所的な視野になりがちなのですが、
稼げる者たちはその状況を作り出している構造、環境に目を向けます。

例を挙げましょう。

上で挙げた経営者の友人の3人目は、経営コンサルタントを行っているので、
日々いくつもの企業の経営者らと接しています。

その一部を聞かせてもらうことがあるのですが、
彼の元に相談に来る経営者は

「社員Aが仕事をしない」
「残業の無いホワイトな企業にしよう」
「売れ筋商品の売り上げが落ちてきたからどうにかしないと」

などと言って来る方々が多いようです。

このような発言、身の回りでも聞いたことがありませんか?

あるいは、もし、ご自身でこのような思考をされていたら、
それが稼ぐ障害となっているのかもしれません。

なぜ上のような思考は危険なのか?

その理由は価値の原理を無視しているからです。

以前もお話ししましたが、価値というのは原理的に相対的です。

言い換えると、周囲との関係の中で価値が立ち上がります。

上で挙げたような問題という価値も例外ではありません。

例えば、1つ目の仕事をしないという「問題」も、
仕事をしなくとも給料をもらえる構造に問題があると考えた方が現実に近いでしょう。

投資をしていらっしゃったら体感としてご存知かもしれませんが、
不正を働いた企業が再び不正を犯しやすいのは、
そもそも社内に不正が行われやすい環境があるからです。

不正を行った当事者をいくら責めてみても、
その根源となっている環境、構造を変えない限り、
問題は再び生じてしまうのではないでしょうか?

この傾向は、わかりやすい実例でも見ることができます。

1980年代のニューヨーク市では犯罪が多発していました。

この現実を変えようと考えた警察は、変わった対策を取ります。

それは、地下鉄に無賃乗車する者を取り締まり、
また車内の落書きを徹底的に消すという方法です。

犯罪を犯した者たちを責めるのではなく、
その者たちが置かれていた環境から変えていきました。

するとどうなったか?

犯罪数は劇的に減少したのです。

そこに住む者たちには何もしていません。

犯罪はやめようなどと教育はしていないのです。

それにも関わらず、環境を変えることによって、
そこに置かれている人々の行動に変化が生じました。

言い換えると、全く同じ人間にも関わらず、
どのような環境・構造に置かれているかによって
私たちは知らず識らず影響を受けているということです。

そして、価値の原理から考えても、この事例のように、
環境から着手していく方が効果が高い場合が少なくありません。

稼ぐ者たちはこの現実を理解しているので、
社員ではなく社内の仕組み、
問題を起こした当人ではなく、彼らが置かれていた環境、
点ではなく、それが根ざしている構造に目を向けます。

実際、上で挙げた経営コンサルタント自身も
仕組みを作ることによって、
サボってばかりだった社員たちが
自ら進んで仕事をする職場にした実績を持っています。

一方で、稼げない者たちは(相対的に)視野が狭いので、
環境までは目が向けられません。

その結果、問題を起こした当人ばかりを責めがちです。

彼らには見えない環境や構造を見ようとするより、
個人のせいにする方が簡単だからです。

同じことは私が専門としている言葉(コピーライティング)でも言えますね。

コピーを学び始めた者は、最初は小手先のテクニックばかりを使いがちです。

構造の強力さは見えておらず、局所的なテクニックしか見えないので。

ですが、力が付くに従って、文脈や構造からデザインすることができるようになります。

このレベルまで達すると、小手先のテクニックしか使えない者とは
圧倒的な力の差が現れます。

ニューヨーク市の例で見たように、構造が与える影響というのは計り知れないからです。

大きな影響を与えるには、構造からデザインしていきましょう。

P.S. 本文中で触れたニューヨーク市などの事例に興味がありましたら、
この本をお勧めします。

小さな変化が大きな違いをもたらすことを英語でtipと言いますが、
この現象について考察した本です。

tipを狙って起こせるようになれば、いわゆる「バズ」を
自由自在にコントロールできるかもしれません。

本の中ではtipにおいて重要な役割を果たす3つの要素が議論されています。

P.P.S. 余談として、少しだけ数学の話をさせてください。

仮に「稼げる者は構造を見る」という主張が正しかったとしましょう。

(少なくとも私の経験上は正しそうです。)

すると、この主張は「構造を見ない者は稼げない」と
数学的(あるいは論理的)に全く同じ(専門用語では同値と言います)です。

言い換えると、最初の主張を認めるなら、2つ目の主張も正しいということ。

すると何が見えるでしょうか?

巷には残念ながら問題を起こした当事者や個人を責める方が少なくありません。

構造ではなく点を責めているという事実から、
構造を見ない者である可能性が高いと言えます。

ここに対して先ほどの主張を適用すると、個人を責めている者たちは
稼げない者だと結論されます。

世間には、何か不満があるとすぐに国のトップのせいにする方がいらっしゃいます。

上の考察から、彼らは稼げていないと見てほぼ間違いないでしょう。

(自力で稼げていれば細かいことは気にもなりませんからね。)

ビジネスをしていれば、批判されることもありますが、
その際にはこの話を思い出して頂ければ少し気が楽になるかもしれません。

ただ、気が楽になるだけで止まっていてはダメで、
その批判を生んだ構造を変えて行かなければならないのですが。

稼げる者たちは、今回の観点からも寛容だと言えそうです。

最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。

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